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上杉 昇 NEW ALBUM『Dignity』Special Page

10代のロックキッズだった頃の自分に一番聴かせたいアルバム

「今後生み出していく作品達にとっての目次のようなものだった」と上杉が形容したアルバム『The Mortal』から2年半、豪腕プロデューサー岡野ハジメと共に作り上げられた最新アルバムは『Dignity』(ディグニティ/尊厳)と名付けられた。WANDSでのデビューから30周年となる2021年、恐らく上杉史上最もヘヴィなサウンドでぶち撒けられる本作は、心あるロック・ファン、そして日本という国を愛してやまないすべての人達の胸に、激しい熱さと共に届くこと必定な作品だ。


通常盤 CD ¥3,000(+税)
OPCD-2211


初回限定盤 CD+DVD ¥4,000(+税)
OPCD-9211

2021.3.13(土)からのツアー&イベント会場にて先行発売開始。2021.5.26(水)全国発売

CD『Dignity』収録曲
01.斬れ
02.dioxin
03.カワラコジキ(Full Length Version)
04.Dignity
05.安息の希求
06.黒い雨
07.I Am A Pig -Cover Of Two-
08.防空壕
09.荒野の獣
10.濫觴
11.火山灰[Not Song of War]
12.消滅

DVD「Dignity Music Videos」収録曲
01.カワラコジキ
04.防空壕
02.濫觴
03.斬れ
05.dioxin

Movies & Notes
01.斬れ

2019年10月末の曲出しから数週間後には、ほぼ現状のアレンジが仕上がっていた「斬れ」。しかし他曲の歌入れやコロナ禍による度重なるツアー延期対応、そして配信イベントやスタジオライブ開催などのスケジュールを優先するため、10ヶ月後の2020年8月中盤まで歌入れは持ち越されることとなった。だがその間に上杉が見つめてきた世界の激動や日本の姿は、この曲の歌詞に当然色濃く反映している。ちなみにサビのラストで聴けるハイ・トーンのハモりは、わずか数テイクで完璧にレコーディングされていた。

02.dioxin

2021年2月スタートのツアーでの先行販売に向けて、最後に録音するチューンとして11月上旬に上杉から届いた「dioxin」が、岡野ハジメと平田 崇の手によってオルタナとエレクトロ・ポップの要素を絶妙にまとった見事なアレンジに仕上げられたのは、アコースティック・ツアー#2も終盤に差し掛かった12月10日のことだった。23日にボーカル・レコーディングを完了し、年明けからスパートしてトラック・ダウンとマスタリングを仕上げれば無事完成、というスケジュールで最後の追い込みは進んでいた、はずだったのだが。

03.カワラコジキ(Full Length Version)

象徴的な映像を映し出しながら、ライブで突如として「カワラコジキ」が演奏されたのは2019年冬のMIXTURE TOURだった。歌手を夢見ていた上杉の母が「歌い手など、河原乞食がする仕事だ」という実父の言葉で想いをあきらめた、そんなエピソードをタイトルにしたこの曲は、「このままで大丈夫なのか? そんな筈はない。断じてない」と、愛する日本へ、その民への真摯な言葉を連ねたヘヴィ・ナンバーだ。今回『Dignity』収録バージョンに追加された、更にヒリヒリした問いかけとなるサビにもぜひ耳を傾けて欲しい。
◎Single「カワラコジキ」(C/W「吹雪」[中島みゆきCover])2020.5.27 Release WEB SHOP

04.Dignity

「dioxin」が無事に仕上がって安堵した2021年の年明け、マネージャーから「上杉が、どうしてもDignityという曲を入れたいと言っている。明日の昼までにはデモを出すのでレコーディングできないか」という打診が届いたのは、二度目の緊急事態宣言発出後となる1月8日の朝だった。「よし、作りましょう」と岡野ハジメの快諾を得て、翌9日夕刻にアレンジ・ミーティング、その後バックトラックの制作を経て歌入れ完了が1月16日という、過去最速の恐るべきスケジュールで完成した名曲である。

05.安息の希求

東京都知事選で小池百合子が再選となり、健康状態の悪化を理由に安倍晋三が退任した2020年の夏。新型コロナウイルス感染防止の為、上杉のバンド編成によるツアーの幾度目かの延期が決まった頃に「Social distance」と仮タイトルされて届けられ、11月の末に正式なタイトルと歌詞が完成したのがこの「安息の希求」だった。平田 崇の重厚な七弦ギター・リフに乗せて一番、二番ともに歌詞の締めとして置かれた「斯に仁を知る」が、論語の「過ちを観て斯に仁を知る」から引かれていることは明らかだろう。

06.黒い雨

2019年5月、「防空壕」の曲出しからわずか1ヶ月後にこの「黒い雨」、そして2週間後には「カワラコジキ」というすさまじくハードなチューン達が連続して上杉 昇から産み落とされた。ゆえにこの「黒い雨」で鳴らされた“自由というもの、そして日本という国への警鐘”は、より鋭利な表現となって「カワラコジキ」に昇華していったのではないかと思う。また、もし『Dignity』がアナログ盤として発売されることがあるとしたら、SIDE-Aはこの「黒い雨」で区切りとなる。上杉の狙いは未確認だが、そんな彼の意図も想像に難くない。

07.I Am A Pig -Cover Of Two-

過去、くるりにドラマーとして在籍し、現在はBonobosにキーボーディストとして参加している田中佑司を迎えてリズム録りが行なわれたのは2019年3月2日のことだった。このレコーディング直後にスタートしたMIXTURE TOUR 2019で早くも演奏されていたのが記憶に残っている方も多いと思う。ダウン・チューニングされた平田 崇のギターによるヘヴィなバッキングは、これが皮切りとなった。原曲はジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードによるユニット/Twoのものだが、本作では上杉による訳詞で唄われている。

08.防空壕

Aメロのバックで躍動するビートとザクザクしたコード感は、上杉による初期段階のデモから明解な主張をしており、そのイメージをより不穏に、より緊迫したテイストに持ち上げる形でレコーディングは進んだ。制作中には「防空壕」と名付けられた2019年秋のツアーに向けてアコースティック・バージョンのアレンジも施されることとなり、結果まずライブにおけるギター&ピアノ編成で披露し、当日終演後のSEでレコーディング・バージョンも聴いてもらう……という珍しい発表の仕方を経た曲となった。
◎Single「防空壕」(C/W「愚か者よ」[萩原健一Cover])2019.12.4 Release WEB SHOP

09.荒野の獣

自伝2で「孤立無縁の、孤児みたいに育った人が軍隊に入って、初めてそこでファミリーを感じて、仲間を守りたいんだけど……っていう内容の世界のものも書いてます。これは仲間愛・家族愛ですけど、単なる仲間ではなくて孤児みたいな生い立ちの人がどう感じるのかっていうのを描かなきゃいけない。それを歌詞にするっていうのは難しい」と語られていたのがこの「荒野の獣」である。それ以上のことを記すのは控えるが、平田 崇によるAメロのアルペジオの空気感は、まさに荒野の行軍を想起させる仕上がりだ。

10.濫觴

自伝2では「その瞬間の愛が何かの始まりになるように、次世代へ繋げていくものを生み出すという話。そういう意味では、すごくピュアなラブソングなのかな」と語られていた、壮大な世界観を持つ楽曲。「黒い雨」の歌詞中にも濫觴というワードは用いられているが、こうした古き良き単語を丁寧にすくい上げていくのも上杉一流の作詞方法である。曲全体のトーンを見事に導いている二胡の演奏は、「棘と吹雪と」同様に静岡在住の演奏者・鈴木裕子へ依頼したもの。
◎Single「濫觴」(C/W「防人の詩 -Recorded Live At YOKOHAMA O-SITE. Kanagawa on August 30.2020」[さだまさしCover])2020.12.23 Release  WEB SHOP

11.火山灰[Not Song of War]

2019年2月24日。岡野ハジメとの制作作業の始まりの日に上杉が差し出したのが、「umbrella」と仮タイトルを付けられた3拍子のこの曲だった。ランダムな英語で唄われるメロディとリズムだけで構成されたデモ音源に試行錯誤しながらコードを付け、岡野が思いついて口にするアレンジのアイデアを平田がメモして持ち帰り、打ち込みとギターを重ねて具体的な音源にしてから幾度も岡野とやりとりを繰り返す。この「火山灰」で確立した方法論が、このあとアルバムすべての曲に関して同様に積み重ねられていった。
◎Single「火山灰[Not Song of War]」2019.5.6 ライブ&イベント会場限定Release

12.消滅

「防空壕」「黒い雨」「カワラコジキ」というハード・チューンを連続して作った反動のように、2019年7月に届いたのは、深海から光の射す水面へ上昇していく情景を思い描いてしまうようなメロを持つバラードだった。そこには「Drone Bomb You」という仮題が記されていたが、これは英国のトランス・ジェンダー・アーティスト/アノーニの「Drone Bomb Me」を強く意識したものだったはずだ。だがこの曲を生み出した数日後に上杉を長年に渡り支えてきたスタッフが急逝したことで、タイトルと歌詞は大きく姿を変えることとなる。
◎Single「消滅」(C/W「たとえばぼくが死んだら」[森田童子Cover])2020.9.30 Release WEB SHOP

プロデュース:上杉 昇
全作詞・作曲:上杉 昇(ex.「I Am A Pig」)
レコーディング・プロデュース:岡野ハジメ
編曲:平田 崇、岡野ハジメ

[岡野ハジメ:レコーディング・プロデューサー]
1956年11月26日、愛知県生まれ。17歳でベースを弾き始め、21歳でプログレ・フュージョンバンド/スペース・サーカスにてプロ・デビュー。以降、東京ブラボー、ショコラータ、PINK、QUADRAPHONICSなどに参加し、ホッピー神山、ステイーブ衛藤らと1992年に結成したPUGSでは、ジェーンズ・アディクションのペリー・ファレルが主催するアメリカ最大のオルタナ・フェス“ロラパルーザ”に招聘され全米を20数カ所ツアーし、その合間にニルヴァーナのプロデューサーとして知られるスティーブ・アルビニのプロデュースによるアルバム『CHIMATO KUBIKI』をリリースする。また、ラルク アン シエルを始めとする膨大なプロデュース・ワークと並行して、VIBRA(バイブラ)ブランドのオリジナル・ベースを開発、製作も行なっている。
https://bit.ly/2NwLjqV

[平田 崇:ギタリスト、アレンジャー]
広島に生まれる。高校卒業後上京。jazz、funk、Bossa Nova、R&B、エレクトロニカ等、様々なジャンルの音楽に影響を受けながら学生生活をすごす。卒業後は様々なライブやレコーディングに参加しつつ、自身のアコースティックユニットTahnya(ターニャ)でも活動。近年はCM、映画等のレコーディングにも多く携わり、ソロのインストCDもリリース。上杉 昇にはキーボーディスト森 美夏とともに2018年のアコースティック・ツアー以来ほとんどのライブ、レコーディングで演奏を続け、バンド編成時にはバンドマスターも務めている。
https://twitter.com/takashi_hirata